今日の屁理屈 ネットの嫌味

世間でのプロパガンダに対する逆説的屁理屈

海賊版の音楽を違法ダウンロードするユーザーの方が音楽により多くお金を使っていることが

インターネットを通じていわゆる「海賊版」の音楽や映画などを違法に無料でダウンロードする行為により、音楽業界や映画業界はダメージを受けていると言われていますが、

この見方を覆すような調査結果が明らかにされました。その調査結果というのは

「きちんとお金を払っている人々よりも、

いわゆる違法サイトなどからコンテンツをダウンロードした経験のある人のほうが、

コンテンツに多くのお金を支払う傾向にある」という驚きの内容でした

 

 

 http://www.musicwatchinc.com/blog/bad-company-you-cant-deny/


この調査結果は、エンターテインメント業界の分析を行う企業

MusicWatch」の調査によって明らかになったもの。

その調査結果でMusicWatchは

、「違法ダウンロードを行うユーザーのおかげで業界が打撃を受けている」

という理解は間違ってはいないものの、一部では逆の要素があることを明らかにしています。


2004年には、4100万人のアメリカ人がP2Pを利用して

音楽を違法にダウンロードした経験があると推測されていましたが、

2015年にはその数は2200万人へとほぼ半減したとみられ、

さらにはダウンロードされたファイルの数そのものも減少したものと予測されています。

 

 

 

この結果を見れば「違法ダウンロードを行わないように」

著作権者の権利を尊重する」という啓蒙活動や違法ダウンロードの

取り締まり活動が功を奏したと結論づけてしまいそうになるわけですが、

実際にはストリームリッピングやモバイル機器を使ったダウンロード、

そしてハードディスクそのものをスワップすることによるファイル交換など、

手法が多様化しているために事態は改善どころか悪化しているとも見られてい

 

この状況を受け、MusicWatchはあらゆる形態の

違法ダウンロード手法についての調査を実施。

その結果、13歳から50歳の年齢層で、

ファイルを不正に取得した経験がある人の数を5700万人と試算しています。

やはり、というべきか数が増えているわけですが、

MusicWatchはさらに驚くべき事象として、

お金を出してCDやデジタルコンテンツを購入した経験のある人のうち、

35%は違法ダウンロードの経験があると述べています。

つまり、この違法ダウンロードの問題は

「お金を払いたくない」という単純な理由だけで発生しているものではない

ことが明らかになったというわけです。

その一方で、興味深い事実も明らかになっています。

ネットの著作権問題やプライバシーなどを扱うサイト

TorrentFreak」は、違法ダウンロードをした経験のある人ほど、

グッズ購入やコンサートのチケット購入、さ

らにはCDなどの購入に多くのお金を使っているという事実に特に目を向けています。

Pirates Spend Much More Money on Music, Study Shows - TorrentFreak
https://torrentfreak.com/pirates-spend-much-more-money-on-music-study-shows-160226/

MusicWatchの調査結果からは、

違法ダウンロード経験者を含む一般的なアメリカ人全体が

CDまたはダウンロード販売に使うお金は、

1人あたり19ドル(約2300円)だったのに対し、

違法ダウンロード経験者だけの統計だと

1人あたり33ドル(約3700円)に増加することが判明しています。

さらに、対象を音楽を聴く人だけに限定しても同様の傾向が見られることが判明。

音楽ソフトを購入した一般人が1年に音楽に使うお金は

45ドル(約5100円)だったのに対し、

違法ダウンロード経験者は年間61ドル(約7000円)を

音楽の購入に使っていることもわかっており、

やはり違法ダウンロード経験者ほど音楽に多くのお金を使う傾向が明らかになっています

ここからは、「違法ダウンロードを行う人ほど、

音楽にお金を多く落とす傾向にある」という不思議な結論が導かれるわけですが、

これはすなわち「違法ダウンロード経験者には音楽好きが多く、

お金を出して買ったコンテンツの補完の役目で違法コンテンツを入手している、

もしくはその逆で、違法コンテンツを集めた上で

最終的に持っていないものをお金を出して買う」

という構図を示すものとも考えられるとのこと。


つまり、これまでは「音楽業界を破壊する」と思われていた人ほど

音楽に多くお金を落とす傾向にある、という不思議な結論が

導き出されているというわけです。

これはもちろん違法なダウンロードを擁護するものにはなり得ないものですが、

従来の認識を大きく覆すこの事実は、

これからの音楽業界の収益性を考える上で考えなければならない

大きなヒントになるのかもしれません。